痒疹|まつもと皮膚科クリニック|福知山・丹波・丹波篠山市の皮膚科・美容皮膚科

痒疹|まつもと皮膚科クリニック|福知山・丹波・丹波篠山市の皮膚科・美容皮膚科

痒疹 PRURIGO

痒疹

痒疹とは、非常に痒いポツポツとした赤い皮膚のもりあがり(丘疹や結節)がちらばって(散在)できる皮膚病です。腹部やでん部といった特定の部位、あるいは全身に現れ、強いかゆみをきたします。
すねのあたりやお腹まわりに限られる限局性タイプから体中にできる汎発性タイプまで様々です。
直径1cm以下の小さな発疹を丘疹きゅうしん、直径1cm以上で固い発疹を結節と呼びますが、これらの発疹は赤褐色や茶色のものもあれば、肌の色に変化がないものもあります。
またそれぞれの皮疹が1週間程度で治ってしまう急性のものから、何ヵ月も治らず茶色の硬いイボのようになってしまう慢性のものまであります。痒疹は強いかゆみを伴うため、仕事に影響が出たり、睡眠の質を低下させたりすることもあります。
また、かゆいからといって搔いてしまうと、かえって症状を悪化させてしまう恐れがあるため、なるべく早く症状を和らげるためには適切な治療を行うことが重要です。

原因

痒疹の発症メカニズム

痒疹の発症メカニズムはまだはっきりと解明されていません。
虫刺されがきっかけになったり、アトピー性皮膚炎のような慢性的な皮膚炎やアレルギーが関係する場合もあります。またまれに内服薬が原因のこともあります。中でも虫刺されや金属アレルギーをきっかけに発症するケースが多いとされています。また、アトピー性皮膚炎など慢性皮膚疾患の悪化、薬の副作用などが原因で発症することもあります。
痒疹によっては、長期間掻き続けてしまうということも一因になっています。痒疹では一般的な血液検査をしても異常のないことがよくあります。しかし中高年以上で症状がとてもひどい場合には、何らかの内臓の病気と関連することがあります。

たとえば糖尿病や腎透析をうけている方には痒疹がよくみられます。
ホルモンの異常や肝臓・胆道系の異常、血液の病気、その他にもいろいろな内臓悪性腫瘍がかくれていることもあるといわれています。さらに歯科金属や食べ物に含まれる金属のアレルギーで痒疹になる場合もあります。
まれに鼻・のどや歯に慢性の細菌感染があり、これらの治療でよくなることもあります。この場合の細菌感染は全く自覚症状のないことが多いです。
このように誘因は個人差がありますので、いろいろな検査をしながら問題になるところを探してゆきます。しかし詳しい検査をしてもなにも見つからないこともよくあります。

虫刺され

虫刺されがきっかけで発症することがあります。

アレルギー反応

金属アレルギーやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が原因となることがあります

感染症など

皮膚の感染症や他の皮膚疾患の悪化が要因となることがあります。

内臓疾患

糖尿病や腎臓、肝臓の病気などが関与する場合もあります。

治療方法

ステロイド外用剤

第一選択の治療となります。普段は保湿をしっかりとし、皮膚の乾燥に注意しましょう。

抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤の内服

外用剤のみで治りが悪ければ、内服薬も追加します。これにより発疹の改善とかゆみの軽減を図ります。

紫外線療法

難治性の痒疹に対して、照射します。安全で効果が高い治療法です。週1~2回を目安に照射します。

ビタミンD3外用剤、ステロイド・免疫抑制剤の内服、冷凍凝固療法

難治性の場合に用いられることがありますが、長期間のステロイドの内服は副作用に注意が必要です。

低温の液体窒素を用いて、痒疹結節に対して処置を行うこともありますが、術後の色素沈着に注意が必要です。

生物学的製剤(健康保険適応)

痒疹の治療には、最近では生物学的製剤も選択肢として利用されるようになり、特に結節性痒疹に対して効果が期待されています。

これまでの治療では効果が不十分な結節性痒疹の患者さまに使用できる注射薬です。

デュピルマブ(デュピクセント®)

結節性痒疹は「炎症」「かゆみ」が長期間続いた結果、かゆみをともなうぼこぼことした「結節性病変」が生じる疾患であり、これらの3つの要素が関係しあい悪循環を形成します。
どれか1つだけではなく、3つすべてに着目し、良い状態を長く維持することが大切です。
デュピクセントⓇは、「IL-4」と「IL-13」という物質のはたらきを直接おさえることで、「炎症」「かゆみ」をおさえ、「結節性病変」も改善が期待できます。15歳以上の患者さまから使用できます。

デュピクセントは、アトピー性皮膚炎治療薬としても知られ、成人の結節性痒疹に対しても保険適用で使用可能です。皮下注射薬であり、在宅自己注射が可能です。

ネモリズマブ(ミチーガ®)

ミチーガは、これまでの治療では効果が不十分な結節性痒疹の患者さまに使用できる薬です。
ミチーガは、結節性痒疹の皮膚で増加しているIL-31のはたらきをブロックします。IL-31は結節性痒疹のかゆみ、結節の形成、神経の増加に関係していて、ミチーガはこれをおさえることで症状の改善が期待されます。
ステロイド外用剤などの炎症をおさえる塗り薬及び抗アレルギー剤を使用した治療を一定期間行っても、十分症状が改善しない、13歳以上の結節性痒疹患者さまが使用できます。

これらの治療薬は、保険診療であっても費用が高額になるため、治療を開始する前に医師と十分に相談することが重要です。

よくある質問

Q

痒疹は他の人にうつりますか?

A

痒疹は非感染性であり、人にうつることはありません。

Q

痒疹はどれくらいで治りますか?

A

痒疹の治療期間は個人差がありますが、急性のものは数週間で改善することが多いです。
慢性の場合は数ヵ月以上かかることもあります。

Q

痒疹の予防方法はありますか?

A

虫刺されを予防する対策やアレルギー物質の回避、適切なスキンケアが予防に役立ちます。

Q

生物学的製剤の副作用はありますか?

A

一般的な副作用には注射部位の反応や感染症のリスク増加があります。詳細は医師にご相談ください

Translate »