できもの(ホクロ、いぼ、皮膚腫瘍など)

皮膚のできものを皮膚腫瘍といいます。腫瘍とは、体の組織の一部が病的に変化し、正常とは違う形で増殖したものです。身体の一部に異常な細胞の増殖が生じて形成されるものを指します。これには、皮膚の表面にできるものから、体内にできるものまでさまざまな種類があります。
腫瘍は良性と悪性に分かれます。
良性腫瘍は、一般に増殖が緩やかで生命にかかわらないものを指します。良性腫瘍は比較的ゆっくりと成長し、周囲の組織に浸潤することはありません。通常、命に関わることは少ないですが、場所によっては機能障害を引き起こすことがあります。
例:粉瘤(アテローム)、脂肪腫、ほくろ、イボなど。
一方、悪性腫瘍(がん)は組織に進入し、他の臓器に転移し、体の細胞を破壊しながら増え続けていくものと定義されます。悪性腫瘍は急速に成長し、周囲の組織に浸潤したり、体の他の部位に転移することがあります。これがいわゆる「がん」です。
例:基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫など。
当院では、いわゆる「皮膚と皮下のできもの」全般を取り扱っています。
ダーマスコープという特殊な機器やエコー検査機器を用いて、できものを拡大して観察したり、できものの性質や浸潤度、深達度、良性・悪性の判定ができるようになりました。
外観上、また今までの経過から、明らかに良性であると判断した場合は、切除術やレーザー治療を行います。イボ状のできものには、液体窒素を用いた凍結療法を施行する場合もあります。詳しくは診察をさせていただき、今までの経過を伺ったうえで診査・診断いたします。悪性の可能性が少しでもある場合は、レーザーは用いずに検査を兼ねて切除いたします。
場合によっては、初めから他院をご紹介させていただく場合もございます。
「最近、急にできものが大きくなってきた」、「時々血が出る」、「色が濃く変わってきた」などの所見がある場合は、一度、専門の医師の診察をお受けになることをおすすめいたします。
良性のものであっても、「見た目が気になる」、「徐々に大きくなっている」などの症状があれば、治療することができます。
ご相談のみでも結構ですので、お気軽にお尋ねください。
日常生活の注意点
できものができた場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。
早期に診断・治療を行うことで、治療が容易になり、合併症を防ぐことができます。
治療方法
手術
まずはできものの周囲を含めて局所麻酔を行います。
歯医者さんで歯を抜く時にする麻酔とほぼ同等です。その時のみチクッっとした痛みがありますが、5~10分で麻酔がしっかりと効いた後に、できものを切除します。なるべく自然のシワの方向に沿って切除し、次に細い糸を用いて、細かく縫合していきます。
この方法では、確実にできものを除去することが可能です。後に「きずあと」が残りますが、1~3ヵ月間キズに直接テープを貼っていただくことで目立ちにくくすることが可能です。キズは1ヵ月後くらいが最も赤みが目立ちますが、その後は徐々にうすくなっていきます。病理組織検査にて良性か悪性かの診断、腫瘍の具体的な診断名を確認することができます。
麻酔薬にアレルギーをお持ちの場合は、施術を行えないこともございますので、ご了承ください。
レーザー治療

できものの周囲を含めて局所麻酔を行います。レーザーを用いてできものを蒸散させながら削っていきます。もともとのできもの大きさによりますが、2~3週間でキズが治ります。キズは残らないわけではなく、少し凹んで残ったり、逆に盛り上がって治ったりすることもあります。場合によっては病理組織検査を行えないこともございます。
キズ跡はしばらく赤みが残りますが、お顔の場合は、メイクで隠していただけます。また、徐々に茶色っぽくなってから、いずれはうすくなって消えていきます。
※医師の診察により最適な治療法が異なる場合がございます。
デルマトロン

中周波域の極めて微弱な電流によって、しみやいぼ部分の表皮を軽く焼いて除去できる治療器です。お肌の表面だけに作用するので、施術中はチリチリとした痛みがありますが、麻酔は不要です。
※部位によっては麻酔テープやクリームなどを使うことがあります。
色の薄いシミなら1〜3回の治療でほぼ消失します。施術後、うすいかさぶたができますが、通常3~7日で自然になくなります。基本的に施術後のテーピングは必要なく、施術後に洗顔・お化粧が出来ます。
レーザー治療器と比較して、皮膚へのダメージが大幅に抑えられ、炎症後色素沈着の心配もほとんどありません。いぼを液体窒素で焼いて黒くなってしまった方にもおすすめです。
※心臓の人工弁やペースメーカーをお使いのかた、妊娠中のかたはご利用いただけません。
凍結療法(液体窒素療法)
いぼの様なできものには、−200℃くらいの液体窒素を用いて、凍結させて除去する方法もあります。
複数回の治療が必要なことが多いですが、当日から洗顔や入浴が可能です。徐々にできものが剥がれて縮少していきます。
適応があるかどうかは、医師の判断によります。
よくあるご質問
手術はすぐにしてもらえますか?
大変申し訳ありませんが、手術や処置全般は診察で診査・診断をした後に、ご予約をお取りする流れとなっております。
診察後はお電話にて手術や処置のご予約・変更も可能です。一部の簡易な処置やその日の予約状況によりましては、受診された当日に処置ができる場合もございますので、詳しくは診察時に医師にご確認ください。
できものは自然に治りますか?
良性の病変は自然治癒することもありますが、悪性の病変には治療が必要です。自己診断せず、医師の診断を受けることが推奨されます。
できものの治療法にはどのようなものがありますか?
内服薬、外用薬、外科手術、レーザー治療など、治療法はできものの種類、場所、症状に応じて異なります。
できものを予防する方法はありますか?
皮膚を清潔に保ち、傷を避けることが基本です。
また、日焼け止めを使用して紫外線から皮膚を守ることも予防に役立ちます。