高濃度ビタミンC点滴
High concentration Vitamin C drip
説明
高濃度ビタミンC点滴療法は、疲労回復や免疫力アップといった効果を期待できる静脈注射です。
点滴療法の中でも人気のある点滴のひとつとなっております。
サプリメント等でのビタミンCの「経口摂取」では、ビタミンCの吸収に限界があり、ビタミンCが全身のすみずみに行き渡る前に酸化されてしまいます。
大量にビタミンCを経口摂取しても、ほとんどが尿に排出されてしまい、十分に血液中の濃度を上げることができません。
一方で、血液中に直接点滴投与すると、高濃度のビタミンCが短時間で全身に行き渡ります。
ビタミンCは体内で合成できない水溶性ビタミンですので、食事などから摂取する必要があります。
血管に直接注入する高濃度ビタミンC点滴は、食事よりも効率的にビタミンCの効果を実感できます。
それにより、若返り効果を促進、抗酸化作用による年齢やストレスによって引き起こるシミやくすみの改善、コラーゲン生成作用によるお肌に潤いやハリを出す効果が期待できます。
10gのビタミンCは、レモン500個分のビタミンCに相当し、30gだと1500個分、50gだと2500個分になるとも言われております。
タバコを吸われる方は、活性酸素がビタミンCを破壊するため、特にお勧めです。
期待できる治療効果
免疫力向上・疲労回復
ビタミンCは、体内の免疫機能をつかさどる白血球やリンパ球に多く含まれており、ビタミンCを摂取することで体内のウイルスや病原菌を排除する「白血球」の機能を強化し、免疫力をアップさせてくれます。
それにより、全身の倦怠感や疲労の回復を早め、風邪やインフルエンザなどのウィルスによる感染症も予防してくれます。
また高濃度ビタミンCは、鉄分やカルシウムなどのミネラルの吸収を促進します。
ミネラルは、骨や歯など身体を構成する成分で、神経や筋肉の興奮性の調整といった生体機能の調整を行います。
経口摂取するよりも効率的にミネラルを摂り入れることが可能となります。
- 副作用説明
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ビタミンCは水溶性ビタミンのため、余分に摂取した場合でも尿から排出され、重篤な副作用は報告されていません。
ただ、高濃度ビタミンC点滴には利尿作用があるので、脱水やのどが渇く可能性があります。
あらかじめ水分をご持参いただき、適宜お飲みになることをおすすめ致します。
まれに、下記の症状が起こる可能性があります。- 点滴刺入部位あるいは周囲の痛み、内出血、血管痛
- 頭痛、吐き気、嘔吐、下痢
- のどの渇き
- 低血糖症状(めまい、冷や汗、疲労感など)
- 眠気
シミやニキビの改善・美白効果
肌が紫外線を浴びると活性酸素が発生し、肌を守るためにメラニンが生成されます。これがシミのもとになります。
一方で、ビタミンCはしみ・くすみの原因となるメラニン色素の生成を抑制することができます。
そのため、しみ・くすみの改善が期待できます。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成を促進して、肌の弾力のもとを増やすことによってハリのある肌をつくります。
そのほかに、皮脂腺の働きを抑えることによって、毛穴の引き締めにも効果があり、過剰な皮脂の分泌を抑えるため、ニキビもできにくくなります。
これによってニキビの改善、皮脂分泌の抑制、肌トラブル改善といった効果が期待できます。
老化防止・抗酸化作用・抗ストレス作用・がん予防
体の健康を保つためには抗酸化が必要となります。ビタミンCは、細胞を攻撃して老化の原因となる活性酸素から体を守り、抗酸化作用によって体の酸化を防いでくれます。つまり肌の老化を遅らせる効果があります。また、ストレスに対抗するために必要な抗ストレスホルモンの生成を助けてくれます。
老廃物を取り除くデトックス効果でストレスに対応できる身体をつくります。
また、動脈硬化の予防にも効果的です。血中のコレステロールが増えると動脈硬化症が進みます。これによって、脳血栓症や狭心症、心筋梗塞などが起きやすくなります。高濃度ビタミンCは、余分なコレステロールを胆汁酸に変えて体外へ排出し、血中脂質の酸化を抑えて動脈硬化を予防します。
注意点
下記に該当する方は、点滴をお受け頂くことができません。
- G6PD欠損(低下)症の方
- 胸水・腹水・リンパ浮腫のある方
- 頭蓋内腫瘍のある方
- 糖尿病でインシュリン注射を行っている方
- 腎機能が低い方、透析治療中の方
- 病状が極端に悪化している方(通院が体の負担になる方)
- 活動型心不全のある方
- メトトレキサート、ベルケイドを使用中の方
治療までの流れ
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1診察
医師より高濃度ビタミンC点滴に関するご説明をさせていただきます。
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2G6PD活性検査(初回必須)
当院で初めて高濃度ビタミンC点滴をお受けになる方は、予めG6PD活性の採血検査が別途必要になります。
約5分で採血の結果が出ますので、検査結果によっては、高濃度ビタミンC点滴ができないことがあります。 -
3点滴
処置室で点滴の準備、針の留置を行い、点滴をお受け頂きます。
点滴時間はビタミンCの量によって異なりますが、約30~60分です。 -
4治療後のご注意
ダウンタイムはほとんどありませんが、点滴当日の多量な飲酒は避けてください。
当日は長時間の入浴、激しい運動なども避けて下さい。