Qスイッチルビーレーザー
Q-switched Ruby Laser
説明
Qスイッチルビーレーザーはメラニン色素などの黒い色に反応するレーザーの性質を用いて、
しみ、そばかす、あざなどの色素異常症やアートメイク、刺青(タトゥー)を治療する医療用レーザーです。
黒い色だけにピンポイントで反応するので、正常組織へのダメージを最小限に抑えつつ、少ない回数で効果を得る事ができます。
ルビーレーザー光の波長(694nm)は酸化ヘモグロビンへの吸収がとても低く、メラニンにおける吸収が高いレベルにあります。
そのため、周囲の組織にダメージを与えずに、かつ傷跡を残さずにメラニン色素のみを安全に破壊して治療でき、
周囲の正常な皮膚や血管を傷つけません。
期待できる治療効果
シミやそばかすの除去
〜しみのQスイッチレーザー治療後の経過〜
直後の照射時は、輪ゴムで「パチッ」とはじかれたような軽い痛みがあります。直後に白いかさぶたができています。数十分で茶褐色になります。軟膏を塗って、テープで保護します。3日後には茶色いかさぶたができています。かさぶたを無理やりはがさないように注意しましょう。10−14日後には、かさぶたが剥がれてピンク色になっています。この時のお肌は非常にデリケートですから、こすらないように注意し、日焼け止めをしっかり塗りましょう。治療1ヶ月後には、うすい色素沈着がみられます。色素沈着が濃い場合は、それをうすくする塗り薬を処方いたします。治療6ヶ月後には、色素沈着がおさまって、正常な皮膚と同じ色調に戻る場合が多いですが、一過性の色素沈着が1年以上続く場合もあります。引き続き、こすらないこと、日焼け止めを塗ることを徹底しましょう。
✳︎治療結果には個人差があります
〜治療原理〜
Qスイッチルビーレーザーは、顔全体に広がるシミやそばかすを治療できます。シミやそばかすの原因は、紫外線から皮膚を守るために過剰に分泌されたメラニン色素です。ルビーレーザーの光は、正常な組織への影響を最小限に、メラニン色素に限定して破壊することが可能です。レーザーを組織中のメラニン顆粒に選択的に吸収させ、熱に変換させます。 周辺の組織を傷つけずに、メラニン顆粒だけを確実に破壊し、真皮内で破壊されたメラニン顆粒は粉々になり、 マクロファージに貪食させることで、次第に色素が消退していきます。 破壊されたメラニン色素はかさぶたのようになり、体表へ排出されます。メラニン色素が皮膚の深い部位にある場合、体内で分解後に体外へ排出されます。
- 副作用説明
-
Qスイッチルビーレーザーの副作用として、次のようなものが考えられます。 色素残存 傷跡 色素沈着 脱色素・白斑化 Qスイッチルビーレーザーは熱によってメラニン色素を破壊する治療法のため、軽いやけどが生じるリスクがあります。 肝斑がある場合、軽いやけどでも色素沈着が発生することがあります。
あざの改善
あざの原因であるメラニン色素のみに反応するレーザー光を用いる事によって、色素を破壊してあざを消す方法です。その最大の効用は周囲の組織にダメージを与えることなく、あざの色素を分解する方法で、安全性の高い治療法と考えられています。施術者は医師のみとなる事もこのレーザーの特徴であります。Qスイッチルビーレーザーは、あざやADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などの除去が可能です。ADMは真皮にできる色素沈着が原因の青あざです。「メラノサイト」と呼ばれる色素細胞が皮膚の深い位置に発生してメラニンを作り出します。ADMはメラニン色素が原因なので、シミやそばかすの治療と同様のメカニズムで作用します。3~6ヶ月に一度のペースで施術を行い、効果が現れるまで繰り返します。また施術後、一時的にあざが濃くなって見えることがありますが、時間が経つにつれて徐々に薄くなっていきます。
ほくろの除去
平らなほくろは、Qスイッチルビーレーザーで少しずつ薄くし、目立たなくすることが可能です。皮膚を削らずにほくろを除去するため、肌へのダメージが少なく、翌日から絆創膏なしで過ごすこともできます。治療時の痛みも少ないので、麻酔なしで施術を受けられます。ただし、繰り返しレーザーを照射する必要があるため、治療期間は長くなる可能性が高いです。ほくろの除去にかかる治療回数には個人差がありますが、月に1度の施術を5〜6回行います。
注意点
レーザー照射前後は、日焼け止めを塗って、しっかりと遮光を徹底しましょう。
治療までの流れ
-
1診察
医師による診査診断後、治療可能かどうかを判断いたします。
医師の判断により照射ができない場合は、他の治療法をご案内いたします。 -
2予約
レーザー照射可能と診断された場合、麻酔のテープをお渡しいたします。
レーザー治療のご予約をさせて頂きます。 -
3施術
ご予約時間の1時間前に患部に素肌の状態で麻酔テープを貼ってお越しください。
-
4施術後
レーザー照射後より7~10日の間、茶色のテープを貼ってお過ごしいただきます。
レーザー照射してから約1週間後、約1ヶ月後に受診していただき、患部の状態を確認させていただきます。
その際、場合によっては、レーザー治療後の色素沈着の治療を行います。
レーザー照射後、気になる事がございましたら、いつでもご連絡を頂きますようお願いいたします。